野地木材工業株式会社

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スタッフブログ

おいしい木材 〜ヨーロッパのCLT〜

こんにちは。
日本に帰ってきてから時差ボケと言うんでしょうか、夜20時には眠くなって21時に寝てしまう。
翌朝は4時くらいに目が覚めてしまい、暇だからジョギングしたり読書したりと、なんだか健康な日々を過ごせるようになりました。
おかげで心も身体も調子がいいです。このリズムを続けていきたいなと、深酒も控えるようになりました。

さて、前回のヨーロッパ紀行の続きと参りましょう。
今回の旅の目的、リグナ。
それともうひとつが林業界の今をときめくCLT。
CLTの生まれたヨーロッパ、本場のCLTを見てCLTの本質を知りましょうというのが狙いです。

ところでCLTってなに? ※石破茂さんがわかりやすく教えてくれます。
http://clta.jp/clt/

ということで、ドイツからオーストリアに移動し、リンツという田舎町へ。
IMG_3971IMG_3973「PANEUM」 2017年
設計:コープ・ヒンメルブラウ

このPANEUMという建物のオーナーはオーストリアの有名なパン屋の社長。日本でいうとヤマザキパンってところでしょうか。
そのパン屋の社長が趣味で集めたパンにまつわるコレクションや骨董品を展示しているミュージアムとのことです。
四角い箱の上にポンと乗っかってるシルバーのグネグネは、パンを模しているんでしょう。

さて、この建物は最初からCLTで計画されたわけはなかったらしいです。しかしコンクリートや鉄骨ではこのデザインを作り上げることは無理。どうする!?って考えたあげく、CLTならいけるんじゃないかってことでCLTが採用されたとのこと。600㎥のCLTを積重ね、そこからせっせと削ってこの形にしたようで、削りとった量はなんと200㎥!
まるでパンくずかのごとく、大量の木材を木くず化してしまうとゆう潔さ。IMG_3975IMG_3958IMG_3957IMG_3959IMG_3964IMG_3970すごいです。まるでパンの中にいるかのようで、あんかクリームになったような気分。ヨーロッパの職人がせっせとくり抜いたというか、削りとったというか、見事な曲面が仕上がっています。
でもよーく見ると、仕上げの最終段階でしょうか、上にいくほど職人さんの諦めかけた感が出たとでも言いましょうか、だんだんザツになってきました。それはそれで「わかる。わかるよ。」と、建物に人間臭さを感じられてほっこりしました。IMG_3967IMG_3968帰り際PANEUMのスタッフさんが言ってくれました。
「日本人でここに来たのはあなた達が初めてよ」
本当かわからんが、なんか嬉しかった。おみやげに頂いたパンも美味しかったし。

22CBF0F9-2605-434C-8E07-62AB5D14A91CこのPANEUMですが、これは普通の建築とは言えるわけがなく、この建築物自体が芸術品なのでCLTの使い方としては正しいとか間違っているとかそういうレベルの話はできないと思いました。
僕が素敵だなと感じた点は、内装と構造が一体化しているところ。内装では木材の質感、その良さを存分に引き出している。美しい木目を揃えるということではなく、CLTを曲面に加工することで断面の木目がおもしろい模様になって、見慣れたはずの木でありながら見たことない模様に包まれる空間に仕上がっている。
外装のデザインでは、木材の特徴である加工のしやすさを利用し、それでも決して簡単ではない加工を成し遂げてしまう職人技。これぞ木材じゃないと表現できないデザインを形にした。
これにはもうほんとに感動したし、まだまだ木材、木造建築には未知の可能性があるんだなぁと希望が持てました。
木材をどうやって利用しようかという視点はもちろん大事だと思いますが、建築の表現として「こんな空間、あんな質感を具現化したい。それには鉄じゃない、コンクリじゃない、木材じゃないとダメだ」というような設計者側、施主側のニーズやモチベーションから降りてきて、「だから木材を使うんだ!」という確固たる理由が大事であると思います。

木材にしかできないこと。
木材だからできること。

もっともっと追求していく価値がありまくると思います。
がぜん追求しまくっていきます、野地木材。

ってなところで今日はこれまで。

はい、
続きます。