5月下旬から6月にかけて8日間ほどドイツ、オーストリア、スイスに視察に行ってきました。
視察の目的は3つ。
1.リグナ・ハノーバー(世界最大の木工機械展)
2.CLTで建てられた建築物
3.ヨーロッパの製材所
僕自身、ヨーロッパに行くのは初めて(海外は韓国しか行った事なかった。。。)だったので、とても楽しみにしていた視察でした。
内容は刺激的だったのはもちろん、かなり濃厚で想像を超える体験ができました。
まずリグナ・ハノーバー。
リグナとは、2年に1度ドイツ ハノーバーで開催される世界最大の木工林業機械見本市で、世界中の最新技術やソリューションが展示されます。
1500社を超える林業機械メーカーが出展しており、林業用機械、ベニヤ、木材加工技術や家具の機械、自動化技術などなど、これを見ておけば世界の林業のトレンドや最新技術を知ることができてしまいます。
日本ではお目にかかれないフォルムの重機。一度にたくさんの原木を持ち上げることができそう。
これは二掴みぐらいで、4tトラックいっぱいになるぞと。規模が違いますわ。
斜めな製材機。僕の知ってる製材機はまっすぐの機械ばかりですが、世界のワンバンドソーのトレンドは斜めっているそうです。理由を知りたかったけど、英語がわからないため聞いても理解できませんでした(涙)。
機械を操作するコクピットがガンダムをも操作できそうな佇まい。かっこいい!
3D CADメーカーのブース。木のブロックがありました。コンピューターに打ち込めばこんなのが加工できてしまうんですね。まるでどでかいレゴブロック。これを積み上げていけば、家もできちゃう。なんてできれば楽しそう。ちなみにレゴ創業者はデンマークで家と家具を作っていた職人さんだそうです。なんか思想が繋がっていますね。
おそろしい乗り物がありました。まるでジェイソンが乗って現れそうな佇まい。もちろん売り物ではないと思います。刃物メーカーの遊びココロで作ったオブジェでしょう。ぶっ飛んでますね。思いついたとしても、作らないでしょ。普通。
赤い。めっちゃ赤い。真っ赤っかであります。
日本の製材機はくすんだ色合いの機械ばかりだけれど、ヨーロッパの機械は彩り鮮やかな機械がたくさんで、それだけで楽しげです。
この製材機、日本ではなかなかお目にかかることができないヨコバンドソー。ノコが横にセットされています。縦のセットが当たり前だと思っていた僕にはなんだか気持ちの悪い機械に見えます。僕はこのマシンを”赤い彗星”と呼ぶことにします。
この会場は2000年に万博が開催され、この写真はその時に建築された”もみの木を模した木造の巨大な屋根”。その迫力に圧倒されました。20年近くも前に木造でこんなぐにゃぐにゃなことができちゃう木材加工技術を持っていたわけです。僕はビビってその場に立ちすくんでしまいました。
さて、このリグナですが、すこぶる欲しいと思うマシンが3つ、4つほどありました。
目からウロコのマシンや、心ときめく加工ができるマシン。
しかし、残念ですがその写真はUPしていません。
なぜか。
それは”すっごく欲しいから”企業秘密ということで。
野地木材に導入することができたらUPさせていただきます(笑)。
初めてリグナを見て感じたことですが、世界の林業、林産業の機械はすごいスピードで進化しています。
方向性としては、自動化と特殊加工技術の二つが大きな流れかなと。
木材にはまだまだ未知の可能性がありそうです。したがって世界的には建築の分野でどんどん木材の需要は伸びていくんだろうと感じました。その需要や期待に答えられるように生産性向上に向けた自動化技術、加工精度の工場、特殊形状への対応することで、鉄やコンクリートでは対応できないことを木材使って成し遂げようという意図を感じました。
ただ、なかなか大きな金額の投資になってしまうような機械が多かったので、小さな会社では導入が難しそうかなと思いましたが、そこは機械に頼らずともまだまだ創意工夫すれば、人の力で出来ることはたくさんあると思います。
とりあえずリグナで感じ取れた世界的な木材のニーズ、そして木材の未知の可能性に対して、野地木材は何をすべきだろう、どうあるべきだろう。
そんなことを考える素晴らしいきっかけになりましたし、なんとなくあるべき姿のイメージも浮かびました。
とにかく”見る聞く”だけと、”体験体感”することの差は5000倍ぐらいの情報差があるぞと、やはり”現地で現物を見て現実を知る”という「3現主義」はとても重要でありますね。
リグナの報告はこんな感じとしまして、次にCLTの話やヨーロッパの製材所の話を書きたいのですが、このままブログを書き続けるとどえらい長くなってしまうので続きはまた書きますね。
はい、わかっています。
近いうちに更新しますね。
良ろしければ、お楽しみにお待ちを🎵