野地木材工業株式会社

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スタッフブログ

仕入れについて。

みなさんこんにちは。

今日家に帰ると僕がいつも寝ているベッドがなくなっていました。

ベッドのあったスペースに、僕のギターや、マンガ本や、パソコンや、ビールなどを置くそうです。

僕はそれらに囲まれて寝なきゃいけないそうです。

野地家は、確実に息子(もしくは妻殿)を中心としたコミュニティが作られそうです。

そうです。のぶたかです。

今日は熊野原木市場の記念市でした。
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8月は市がこの一回(熊野原木は通常月2回市がある)なので、

これぞっ!という原木は気合い入れて買っておかないといけません。

いつも僕は杉の仕入れを担当しており、社長は桧の担当と、二人で役割を分けています。

というのも、熊野原木では杉と桧、2カ所に分かれて「競り」を行うので

両方買う為には、どうしても二人必要になってくるわけです。

中には、走って行ったり来たりと一人二役する材木屋さんもおりますが、

僕も社長も足には自信がないので、そういうことはできません。

競りが終わると、僕はそそくさと工場に戻り、仕事の続きをします。

そして、夕方のミーティングで、必ずといって良いほど今日の僕の杉の仕入れについて

社長のダメだしがあります。

「お前、なんであの丸太買うたんな。となりのやつの方がええやないか。アホやな。」とか、

「お前ね、あの丸太挽いたら、中から傷でてくるぞ。アホやな」とか、

「ばーっと買いまくったれよ。アホやな」とかね。

しんどいんです。市の日の夕方は。

仕入れとは、「競りこ(せりこ)」と呼ばれる、競りを取り仕切り、価格を決めて誰に競り落とすか

決めていく中心の人物がいます。それと、ライバルの材木屋さんたちがいるわけですね。

その中で、欲しい原木を、できるだけ安い価格で、必要な分だけ買いたいわけです。

みんなそういう目的なのですね。

人と人とがやり合うわけですから、そこには心理戦がつきまとうわけです。

いろんなテクがあるわけなんですよ。仕入れの為の。

例えば、

・競りの最中に価格を宣言する声の大きさ

・競りこと、自分の立ち位置

・価格を宣言する順番

・欲しくない原木でも「それオレ買うよ」という態度をとる揺さぶり

・欲しい原木に「これ、色黒いなぁ」とか言っていちゃもん付けて、買うしたたかさ。

・たくさん買う材木屋の後ろに隠れて、ひょいとたまに手を挙げて買うコバンザメ。

・誰も買い手がつかない低質な丸太を買ってあげて、競りこの心を掴んで、
 ここぞという時に自分に競り落としてもらう偽善者。

などなど、いろんな仕入れのテクニックがあるわけです。

そこには、ドロドロとした大人のせめぎ合いがあるんです。

まだまだココに上げたのは基本テクであり、皆さんプロですから、それぞれの業者に

仕入れノウハウがあるわけです。心理戦のね。

ただですね、仕入れ仕入れと言っても、

丸太を仕入れて、それを製材して加工して製品にしていくわけですから、

買った原木それぞれに、どういう風に製材するかという、仕入れた人の「意図」が
その原木には存在する
わけなんです。

その仕入れた「意図」を知らないで、原木仕入れの善し悪しなんてわからないのです。

例えば、3Mの18㎝の丸太が非常に高かったから、安い4Mの16㎝を買って

3Mに切った方が、実は得だということもあり得ます。

そう言った仕入れた人の意図を知らなければ、

「なんで3Mの18㎝が必要なのに、4Mなんかを買ったのだ!?」と、

仕入れた意図の知らない人は思うわけですね。

だから僕は、社長が僕に対していつも「ダメ出し」を行う時に、

僕の仕入れた意図を知った上で言ってほしいと思うわけで、

その意図を知った上で言う「ダメ出し」ならば、アドバイスとして聞けるのですが

僕の仕入れた意図なんて「そんなもんまったく知るかいっ」とあっち向いている社長は、

今日の夕方も「お前はあいかわらずアホやな」と優越感全開の顔して

ニシャニシャと僕をダメ出すわけで、僕も始めは黙って聞いているのですが、

だんだん腹がたってきて、「じゃぁ社長が買ったあの桧、一体何の製品を製材したいのよ?」

「太い丸太なんて、黒くなっていってるのどっさりあるやないかい」と僕は言うんです。

そしたらね、もう、ブチキレですよ。

「うるさいおらぁぁっ!あの丸太はムジとれるんじゃぁぁぁっ!!!」って、ブチキレ。

「ムジとれる丸太も、古くして痛めたったら、ムジとれんやないか」ってまた僕が言うと、

「やかましゃぁーおらぁぁっっっっ!!!赤身は使えるんじゃぁぁぁっっっっ!!!!」と

アオスジたててブチキレまくりです。

なんじゃそりゃ。とね。僕はどんびき。

やっぱりね、社長にも意図があるんですよ。仕入れた意図が。

そこを知らないで、お互い話しをしても、感情論になるだけなんですね。

ま、父と子というのは、仕入れた意図を知っていたとしても、

感情論になってしまう関係であるという、難しい問題もあるわけなんですがね。

ただし、父と子という関係なので、仲直りが早いという事が唯一の救いですが。

いつまでも、親子である限りは、続くのでしょうね。こうゆーの。

でも世間では、こういうのを幸せとも言うのでしょー。